発達障害の理解と教育に役立つ情報

わが子の奇跡的な成長=ミラクルを起こすには、あたたかいハートや少々のことでめげない強い意志が必要ですが、それだけでは足りません。正しい情報収集が必須なのです。このシリーズでは、子育て本、とりわけ発達障害の理解や子育てに役立つ本などを紹介します。

▶︎シリーズ①は、杉山登志郎『発達障害の子どもたち』を紹介します。

冒頭で、発達障害の子どもをもつ親御さんから聞くことの多い、次の13の意見が出されています。

読者の皆さんは、①から⑬の真偽についてどう思われるでしょうか?

■発達障害の子どもをもつ親御さんから聞くことが多い意見

①発達障害は、一生治らないし、治療方法はない

②発達障害児も普通の教育を受ける方が幸福であり、また発達にも良い影響がある

③通常学級から特殊学級(特別支援教室)に変わることはできるが、その逆はできない

④養護学校(特別支援学校)に一度入れば、通常学校には戻れない

⑤通常学級の中で、周りの子供から助けられながら生活する事は、本人にも良い影響がある

⑥発達障害児が不登校になったときは、一般の不登校と同じに扱い登校刺激はしない方が良い

⑦養護学校卒業というキャリアは、就労に際しては著しく不利に働く

⑧通常の高校や大学に進学ができれば、成人後の社会生活はより良好になる

⑨発達障害は、病気だから、医療機関に行かないと治療はできない

⑩病院に行き、言語療法、作業療法などを受けることは、発達を非常に促進する

⑪なるべく早く集団に入れて、普通の子どもに接する方がよく発達する

⑫偏食で死ぬ人はいないから、偏食は特に矯正をしなくて良い

⑬幼児期から子どもの自主性を重んじることが子どもの発達をより促進する

読者の皆さんは、少なくとも3つ4つは正しいと思われたのではないでしょうか。

杉山氏は、次のように言います。

「これらは全て、私から見たときに誤った見解か、あるいは条件付きでのみ正しい見解であって、一般的にはとても正しいとは言えない。
おのおのについて、なぜこれが誤っているのか、と驚かれたとしたら、そして発達障害と診断を受けたお子さんに関わっているとしたら、この本はあなたにとって読む価値のある本である。」(7p.)
このように、冒頭で書き起こしています。

杉山氏は、長年医師として障害児・者に対して療育をしてきた実践者であり、それを教育学部教授として未来の教師にも教えてきた教育者でもあります。発達障害の理解や子育てに役立つ、正しい情報を得る本として、最初に紹介するにふさわしい本です。

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