本書は物語形式で、25年ぶりに墓参りをした主人公ユウイチが、ご先祖様から「墓参りの御礼に、家族が幸せになるようにサポートする」と言われたところから始まります。
その後、ユウイチ一家は、ご先祖様マモルのアドバイスによってさまざまな家族のピンチをのりこえていきます。その歩みを10話にわたって読みやすくかつおもしろく紹介しています。
今回は第2話の内容です。
☞ 『家族に青い鳥を招く十の話: 家族のピンチをのりこえる知恵 Kindle版』
🪶1 第2話 ディズニーランドよりも近くの公園
◾️わが子もディズニーランドに連れて行く?!
ママ友:ディズニーランドに連れてったら、タケシ(小一)はもう喜んで。
クニコ:(うーん、うちにはそんな余裕はないわ。でも、うちのカナもきっと喜ぶかな。)
ユウイチ:ただいま。(一眼レフカメラを買ってくる)
クニコ:お父さん、何それ? 一眼レフカメラじゃない。
ユウイチ:あー、そのー、もうじき運動会だからカナの活躍ぶりをカメラに収めようと思って。
クニコ:何言ってんの! もうデジカメがあるじゃない。最近のデジカメは、性能が上がってるから、それで十分なのよ!
そのお金で、カナをディズニーランドに連れて行った方がよかったじゃない!
ユウイチ:いきなりなんだよ。一眼レフとコンデジじゃ違うんだよ……。
カナ:別にディズニーランドなんか、行かなくてもいい。それより、上山公園に連れてって!
クニコ:えっ、そんなんでいいの。 それじゃあ、いっしょにサンドイッチを作ってもってこうか。
カナ:うん!
■上山公園に到着
カナ:わーい!(さんざん遊んだ後)
クニコ:そろそろ、もってきたサンドイッチを食べようか。
カナ:うん!
ジュンイチ:カナが作ったサンドイッチはおいしいな〜!
とても楽しい一日となりました。
▼ご先祖様マモル登場
マモル:家族で楽しい一日を過ごせたようじゃの。
ユウイチ:ええ、カナのおかげで助かりました。
マモル:カナちゃんはいくつやったかな。
ユウイチ:小一の七歳です。
マモル:子どもがシングルエイジのうちは、親がミッキーマウスで親のいるところがディズニーランドなんやカナちゃんが「別にディズニーランドなんか行かなくてもいい。それより上山公園に連れてって!」と言ったのは、本心からやで。
ユウイチ:そうなんだ。 親がミッキーマウスか……。
マモル:ただし、親がミッキーマウスというのは、子どもがシングルエイジつまり九歳ぐらいまでやで。わしはこれを「子育てゴールデンタイム」って呼んどるんや。子どもの方から親とのかかわりを積極的に求めてくる時期や。この時期を大切にした方がいい。
神様が親子の絆をつくるために用意してくれた、子育ての黄金時代なんや。
ユウイチ:子育ての黄金時代なんですね。
マモル:そうなんや、子どもは生涯のソウルメイト。この時期に親子の絆、生涯にわたる信頼関係のベースをつくるんや。
ユウイチ:親子の絆、生涯にわたる信頼関係のベースですか。
マモル:そうや!だから、この時期は親がミッキーマウスなんや。
難しく考えずに、この時期を親子でできるだけいっしょに過ごすことや。
親子の宝物のような思い出をたくさんつくることや。
ユウイチ:宝物のような思い出をたくさんつくるですか。
マモル:この時期を過ぎると、今は「お父さん、お父さん」って寄ってくるけど、お祭りなんかも親よりも友達と行くようになる。
ユウイチ:えっ! 今は帰ってくると、うるさいくらいにまとわりついてくるカナが!
マモル:自分が子どもの頃を思い出してみるといい。高学年になったら、お祭りは友達と行かなかった かな。
ユウイチ:そういえば、いつのまにか親とは行かなくなっていた。 カナといっしょに行けないなんて
なんだかさみしいな。
マモル:そうしてみんな自立していくんや。でも、生涯にわたる信頼関係のベースをつくることに成功すれば、子どもが大きくなっても、お互いに頼りにできるし、親子でおしゃべりも、家族イベントも楽しめるで、きっと。
ユウイチ:ほんとですか! だったら、がんばる!
マモル:子育てゴールデンタイムで親子の宝物のような思い出をたくさんつくった場合、親子はどうなるか見せてあげよう!(水晶玉を出す。)
ユウイチ:なんですか、その大きな水晶玉は?
マモル:これはな、先祖から伝わる特別な水晶玉なんや。「キャロル玉」と呼んでいるのじゃが、未来や過去のことが映像になって見えるんや。
ユウイチ:ふーん。(本当かな。)
マモル:では、このキャロル玉で、二十歳になったカナちゃんとユウイチの様子を見せてあげよう!
●キャロル玉で「二十歳になったカナとデートしている」様子を見る
東京駅ナカのレストラン
ユウイチ:大学生活はどうかな。
カナ:ソフトボール部でこの間、A大学と試合をやって二塁打を打ったよ。
(スマホで写真を見せる)
ユウイチ:よかったね。 でバイトはどうしてる?
カナ:ずっと働きたかったO社のバイトのテストに受かって、三月からバイトできることになったの。
ユウイチ:おお合格したのか!O社でバイトするのが、ずっと夢だったんだよな。いつからの夢だっけ?
カナ:中学生から。
ユウイチ:よかったなあ……。
ユウイチ:大学生のカナと楽しく会話しているなんて! こんな未来がほしい! よーし決めた!
わが子が高校生、大学生、そして大人になっても、楽しく会話できる関係をつくるぞ!
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…第3話以降のお話は本書を購入してお読みください。
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🪶2 本書で「家族を幸せにするヒント」を手にしよう!
本書の大前提は、「幸せの青い鳥は、最も身近な家庭にいる」という普遍的なことです。言いかえれば、「家庭が幸せならば、子どもも親も幸せだ」ということでしょう。
現状はどうかと言えば、家庭の幸せの実現度は低いと思います。現代においては、あまりにも親と子を引き裂く要素が多いからです。仕事や家事で疲れている親、受験勉強や部活に追いまくられる子ども、コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子ども、親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合すらあります。
どうしたら、そうした現状を変えられるか。家庭の幸せをつくり出し、親と子の絆を取り戻すには、どうしたらよいか。
本書は、それを実現するための「知恵」を10のお話によって伝えました。この10のお語には、家族の幸せを手にする知恵がちりばめられています。
たとえば、
○仕事に疲れている親については、第3話「子どものもつ魔法の力」で、
○コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子どもについては、第5話「恋敵現る」で、
○親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合は、第6話「ユウイチ、株にはまる」で、
それらのピンチをのりこえる知恵を伝えています。
なお、この10話はフィクションのようでいて、実際は実話が元になっています。ですから、どれも検証済みの知恵であり、実際にやれることばかりです。
たとえば、無料で紹介した第1話「妻の最高の笑顔」は、「子どもばかりでなく家族全員の誕生日を祝うといいよ…」と、私がアドバイスしたある家族の実話が元になっています。父親がアドバイス通りにやってみたところ、妻は子どもからの手紙に感激していたそうです。
本書を読むことで、きっと家族を幸せにするヒントを手にすることができるでしょう。そして、納得できるところ、心に響いたところから実践していけば、きっと家族の幸せが今まで以上に実現していくでしょう。