本書は物語形式で、25年ぶりに墓参りをした主人公ユウイチが、ご先祖様から「墓参りの御礼に、家族が幸せになるようにサポートする」と言われたところから始まります。
その後、ユウイチ一家は、ご先祖様マモルのアドバイスによってさまざまな家族のピンチをのりこえていきます。その歩みを10話にわたって読みやすくかつおもしろく紹介しています。
今回は第3話の内容です。
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🪶1 第3話 子どものもつ魔法の力
■四月、仕事でへとへとになって帰宅したユウイチ
ユウイチ:四月はきついなー。新しい仕事に慣れるのが大変だ。帰りも遅くなるし、くたくただな。
カナ(小二)「お父さん、遊ぼう!」
ユウイチ「いや~、お父さん疲れた。今日はダメ。」
カナ「お父さん、遊ぼう!」
ユウイチ「いや~、今はダメ。後で。」
(「後で。」とは言ったものの、結局そのまま遊ばない。)
カナ「お父さん、遊ぼう! 『かくれんぼ』しよう!」
ユウイチ「お父さん、『かくれんぼ』なんかしたくないよ。」
カナ「じゃ、『だるまさんがころんだ』しよう!」
ユウイチ「じゃ、ちょっとだけしよう。」
本当にほんの少しだけやって、
ユウイチ「もうおしまい!」
へとへとに疲れてしまって、カナと遊ぶ気力が出ないユウイチ。カナとのかかわりを大事にしなきゃと思いつつも、何より一人でゆっくりしたいユウイチであった。
▼ご先祖様マモル登場
マモル:あんなにカナちゃんが頼んでんのに、なんで遊んであげへんのや。
ユウイチ:ボクだって遊んであげたいんだけど、へとへとに疲れてて……。
マモル:うーん、そやけどこのままだと、ちょっと危ないでー。
●キャロル玉でこのままいくとどうなるかを見る
ユウイチ:あれー、昔オレから離れていった彼女だわ。そう言えば、仕事で忙しいとか何とか言って、
誘いを断ってたら、別の彼氏に行ってしまった。悲しかったな。
なんとかやりくりすれば、デートできたのに……。
よく見ると、彼女の顔はカナの顔になっている!
そうか、このままだとあの時と同じように、今度はカナが離れて行ってしまうという警告なんだな。
■疲れて帰宅しても、カナと遊び始めたユウイチ
カナ(小二)「お父さん、遊ぼう!」
ユウイチ:ちょっと、ビールを飲んで、一息ついたらね。
カナ:(そばで待っている。)
ユウイチ:いいよ、何して遊ぼうか。
カナ:まず、ビーチボール!
(交互にイチ、ニイ、サン……と言いながら、続ける)
ユウイチ:ヒャクジュウ。
カナ:ヒャクジュウイチ。
二人:あ〜。(ボールが床に着く)
カナ:すごい続いたね〜。
ユウイチ:そうだね〜。
カナ「今度は、すもうをしよう!」
ユウイチ「よし、やろう。」
ユウイチ「はっけよい。(行司と解説者を兼ねている)のこった、のこった!」
カナ「出すぞ!」と強く押してくる。
ユウイチ「カナ山強い。 ユウイチ山押されています。危ない。」
私「あっと、逆転した。」
カナ「くそ~。」
ユウイチ「カナ山危うし。」
カナ「負けないぞ!」
ユウイチ「カナ山の勝ち~。」……
▼ご先祖様マモル登場
マモル:どうやった?
ユウイチ:えー、カナはとっても喜んでくれて……。
あれ、ボクもかえって疲れがとれた感じがする。
マモル:そやろ。子どもは、親を癒やす「魔法の力」をもっとるんや。
ユウイチ:マ、マホウノ力。
マモル:そや、子どものもつ魔法の力や。それが癒やしてくれたんや。
もちろん、子どもも喜んどる。
こうやっていっしょに遊んでいれば、お父さん大好きになるがな。
ユウイチ:(他の男性に走ることもないってことか。)
■一ヶ月後、職場でのイライラを引きずったまま、帰宅したユウイチ
ユウイチ:(一ヶ月後)なんでオレが謝んなきゃいけないんだ。悪いのは先方だろ。
あーイライラする!
おーい、トランプ(スピード)でもしないか!
カナ:いいよ。
(二人でスピードをする。)
ユウイチ:あれ、負けた。もう一度やろう。 今度も負けか。(でも楽しい)
今度は、サッカーしないか。
カナ:いいよ。
(室内サッカーをする。白熱する。)
ユウイチ:あー楽しかった。ありがとう。
カナ:(お父さんのイライラがよくなった。よかった。)
ユウイチ:(あれ、イライラが半減してる! やっぱり子どもは強力な魔法の力をもってるんだ!)
そっかー、カナはお父さんのために、遊んでくれたんだ!
カナ:(だって、カナのためによく遊んでくれてるじゃん。)
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🪶2 本書で「家族を幸せにするヒント」を手にしよう!
本書の大前提は、「幸せの青い鳥は、最も身近な家庭にいる」という普遍的なことです。言いかえれば、「家庭が幸せならば、子どもも親も幸せだ」ということでしょう。
現状はどうかと言えば、家庭の幸せの実現度は低いと思います。現代においては、あまりにも親と子を引き裂く要素が多いからです。仕事や家事で疲れている親、受験勉強や部活に追いまくられる子ども、コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子ども、親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合すらあります。
どうしたら、そうした現状を変えられるか。家庭の幸せをつくり出し、親と子の絆を取り戻すには、どうしたらよいか。
本書は、それを実現するための「知恵」を10のお話によって伝えました。この10のお語には、家族の幸せを手にする知恵がちりばめられています。
たとえば、
○仕事に疲れている親については、第3話「子どものもつ魔法の力」で、
○コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子どもについては、第5話「恋敵現る」で、
○親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合は、第6話「ユウイチ、株にはまる」で、
それらのピンチをのりこえる知恵を伝えています。
なお、この10話はフィクションのようでいて、実際は実話が元になっています。ですから、どれも検証済みの知恵であり、実際にやれることばかりです。
たとえば、無料で紹介した第1話「妻の最高の笑顔」は、「子どもばかりでなく家族全員の誕生日を祝うといいよ…」と、私がアドバイスしたある家族の実話が元になっています。父親がアドバイス通りにやってみたところ、妻は子どもからの手紙に感激していたそうです。
本書を読むことで、きっと家族を幸せにするヒントを手にすることができるでしょう。そして、納得できるところ、心に響いたところから実践していけば、きっと家族の幸せが今まで以上に実現していくでしょう。