タップリ学習しているのに「ここは僕の別荘なんだ!」と言ったY君

特別支援学級在籍で、不登校のY君。フリースクールに通う一方で、僕が教える「発達凸凹ミラクル塾」に週1回通っています。塾では、発達段階や興味に合わせることはもちろん、その時の気分にも、柔軟に対応しています。マンツーマンの完全個別学習なので、特別支援学級よりも手厚く、個別最適化の学習が可能です。
学校やフリースクールは休んでも、塾には来るY君。今回Y君は、「ここ(ミラクル塾)は僕の別荘なんだ!」と言いました。
その理由&塾での学習の様子(2024/5/1)を紹介します。

🔶1 ゲームに負けてイライラして「塾に行かない!」と言い出したS君

5月1日(水)、3時30分からY君の個別学習です。そろそろY君が来る頃だなと思って待っていると、結構辛い表情のお母さんが、兄のほうのA君を連れてやってきました。
(中2の兄A君と小4の弟Y君の両方がミラクル塾に来ています)

お母さんによれば、弟のY君は、コンピューターゲームで負けてとてもイライラしていて、急に「塾には行かない」と言い出したとのこと。

ママ「私もイライラしてきて、『塾なんか行かなくていい!』と言ってきたんですけど、連れてきた方がいいでしょうか」と、私に聞いてきました。

私「兄のAくんが塾で学んでいる間に、Y君の調子が良くなるかもしれないから、連れてきた方がいいですよ。『塾へ行くと、シーソーやらブランコやらで楽しいよ』って言ってみてください。」こう言いました。
(シーソーやブランコというのは、Y君の好きな遊びで、ミラクル教室の前は小学校なので、シーソーやブランコが乗れるのです。)

弟のY君が3時30分から、兄のA君が4時30分から、それぞれ45分、50分の個別学習なのですが、今回のように時々逆になります。

兄A君の方が順調に終わり、そろそろ迎えに来るかなと思って待っていると、お母さんが弟のY君を連れてやってきました。

ママ「先生の言う通り言ってみたら、本人が『行く』って言うので連れてきました。」
前回に比べて、お母さんは明るく良い表情になっていました。

🔶ミラクル塾スタート:「1週間の出来事」を聞く(5分)

私「よく来たね🥰 待ってたよ。」

いつものように今週の様子を聞くと、Y君は、名探偵コナンの『百万ドルの五稜星』という映画を見に行ったとかで、それがいかに面白かったのかを話し出しました。


私も「娘たちが小さい頃、娘たちと一緒に2度ほどコナンの映画を見たことがあるよ。コナンは面白いよね。」と話しました。

私は興味を持って聞き、「そしてどうなったの?」等々、時々質問をして話を深め、本人が話したいだけ話させました。

こんな感じで、いつもスタートは1週間の出来事を聞いています。子どもの理解のための活動でもありますし、経験したことを相手にわかるように話す国語の授業でもあります。

🔶ミラクル塾1:絵本『おおきくなるって いうことは』

本人の気分が良くなったところで、1つ目の学習(実質的には2つ目の学習)「絵本の読み聞かせ」に入りました。

私「そろそろ絵本の読み聞かせをしていいかな。」

Y君「終わったら、外遊びできる?」

私「いいよ。」

わが家には、絵本がたくさんあり、図書館に行かなくても、小学校4年生ほどまでなら、良い本がたくさんありす。
今回その中から、『おおきくなるって いうことは』という絵本を読み聞かせました。

発達段階と興味に合わせて絵本を選定しているので、Y君は、興味を持って聞いています。

私「…おおきくなるっていうことは まえより たかいところに のぼれるってこと」

「おおきくなるっていうことは たかいところから とびおりられるってこと」

Y君「でも、高いところから飛び降りると危ないよ」

私「そうだよね。」

「それもそうだけど とびおりても だいじょうぶかどうか かんがえられるってこともおおきくなるっていうこと…」

最後まで興味をもって聞けていました。

🔶ミラクル塾:外遊び「シーソー、ブランコ、鉄棒、すべり台、ジャングルジム…」

絵本の読み聞かせが終わったので、約束の通り外に遊びに行きました。

教室の目の前は小学校のグランドなのです。

さっそく、シーソー、ブランコ、鉄棒、すべり台、ジャングルジム…をやりました。

シーソーでは1人でバランスを取ってみたり、私と一緒にしたり。

ブランコでは、2人で並んでブランコに乗り、ブランコから飛び降り、どちらが遠く前まで行けるか競争したり。
(3回勝負しましたが、わざと負けています。)

すべり台に乗ったり、ジャングルジムに登りながら追いかけっこをしたりしました。

本人が満足するまで遊んで、15分ほど

これらは、固定施設遊具を使った遊びなのですが、いわば「体育の学習」です。

トンボやバッタを捕まえて観察したり、裏山で栗や化石をとったりするなど、生活科や理科の学習になる時もあります。

そろそろ教室に戻らないかと誘ってみると、オッケーが出たので、中に入りました。

🔶ミラクル塾2:国語の読み取りプリント

気分が良い状態で戻ってきて、国語のプリントを勧めました。

私「さあ、国語のプリントをやって、おやつタイムにしよう。」

 「今日のおやつは、ばかうけ(せんべい)がいいかな?」

Y君「ばかうけは、家にもあるからいい(ノーサンキュー)。」

私「じゃあ、ビスケットか、麦チョコはどうかな。」

国語のプリントをやりたくなくて、机の下に潜っていたS君は、結局ばかうけ(せんべい)を食べたいみたいで、国語のプリントをやり始めました

私「よくできてる!」(と言いながら、丸をつける)

そして、Y君は、美味しそうに、中間のおやつタイムのばかうけ(せんべい)を食べました。

🔶ミラクル塾3:木工作「トンボ」

後半の学習の一つ目、算数の「かけ算九九3の段の学習」を誘ったのですが、本人は「やりたくない」と言います。

私「それじゃあ、木工作をやるってみるか?」

Y君「それならやりたい。」

いろいろある昆虫工作キッド「カブトムシ・セミ・バッタ…」の中からトンボを選んで作り始めました。つまり、図画工作の授業になったわけです。

やりたくない場合は、別のやりたい課題があるように、発達凸凹ミラクル塾では、いつもオプション学習を用意しています。

前々回、Y君は、すごい集中力で、昆虫工作キッド「チョウ」を正味10分で完成させていました。

前々回同様、私は、木工用ボンドでここ塗ってと言われたところだけ塗ってあげるというサポートをしていました。1度だけ、「そんなに入らないなら、それ逆じゃないの」とアドバイスしたことはありました。

力を入れすぎたのか、トンボの足が折れてしまい、Y君は、「やめた!」とやる気が削がれたようでした。そこで、私が「骨折したんだね。」と言って、木工用ボンドで足をつなげてあげました。本人はそれで安心したようです。

私「まぁ続きは来週だね。この次には、ボンドで足はくっついてるよ。」

🔶ミラクル塾4:音読&なぞり『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』

私「じゃー、最後はこれだね。」と言って、『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』の学習プリントを渡しました。

Y「『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』

ダンゴムシには、ワラジムシという仲間がいますが、その1番のちがいは、(てき)におそわれたときの、身の守り方です〜」

これは、私がまず音読して、次に本人が音読して、部分的になぞり書きをする国語の学習です。

『なぜ?どうして?みぢかなぎもんシリーズ』などから、

本人が興味を持ちそうな題材を選んで、ひらがなを漢字に直したりした手作りの学習プリント(音読・なぞり)です。

本人は、なぞって、スラスラと音読できていました。

これは、家でお母さんに読んであげるルールになっています。

🔶ミラクル塾:コーラを飲む前に「漢字練習」(今回はテスト)

1番最後の学習は、漢字練習に決まっています。
今回は、漢字テストの時間でした。

まず、テスト前に「読めるか」のチェック。そもそも読めない漢字は書けないし、私がホワイトボードにゆっくりと漢字「耳・人・小川・上下・天気」を書いてみせることで、書き順を確認させてもいます。

私「これ(耳)はなんて読む?」

Y君「ミミ」

私「これ(人ぶつ)はなんて読む?」

Y君「ひと」

私「アメリカ人と言うように『人』は『ジン』とも読むんだったよね〜」

この後で、漢字テストをしようとしたら、

Y君「先生、ホワイトボードの漢字を消してください。」と言いました。
答えを見ないで自力で挑戦したいのでした。

答えの漢字を消してからテストをすると、天気の「気」だけできませんでした。

そこで、

私「コーラを持ってくるから、『天気』だけ練習しておいてね」と言ってコーラを持って教室に戻ったところ、『天気』ばかりでなく全ての漢字を練習していました。(4年生だけど、1年生の漢字を学習しています)

🔶ミラクル塾:お母さんに学習したことを伝えるY君

Y君が大好きなコーラを飲んでいると、お母さんが迎えに来ました。

私は、読み聞かせた絵本『おおきくなるって いうことは』を見せたり、

外でシーツやブランコをして遊んだこと、

「かけ算九九3の段」の学習はできなかったけど、「国語のよみとりプリント『カレンダー』」や『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』の音読となぞり、最後の漢字テストはできたことを話しました。
お母さんは、嬉しそうでした。

ー本当の今日の学習予定ー

Y君は、お母さんに『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』を音読して聞かせたり「漢字テスト、天気の『気』だけ間違えたけど、あとは全部できたよ。」と、お母さんに嬉しそうに伝えていました。

ーコーラを片手に、『ダンゴムシはどうしてまるまるの?』を音読して聞かせるY君ー

4月新しく担任が変わってから、Y君は、毎日午前中の2時間だけ順調に学校に行っているようです。
3学期は、毎週よく学校を休んでいました。
また、Y君は、フリースクールにも通っているのですが、1か月ほども行けないでいました。
幸いなことに、そうした状況下でも、このミラクル塾では学習していました。

お母さんは、ここ半年ほど、「ここでしか勉強しない。」と言っていました。

ここ発達凸凹ミラクル塾は、完全個別学習なので、本人の興味や発達段階はもちろん、その時の気分等に合わせて柔軟に対応しています。マンツーマンの完全個別学習なので、特別支援学級よりも手厚い、個別最適化の学習が可能です。

今日の塾のスタート時、教室の床にコートを脱ぎ捨ててあったので、「床には置かないで、椅子にかけてね。」とお話ししたら、Y君は「ここは自分の家と同じだからいいんだ。」と言っていました。

私はそれぐらいリラックスしているのかと嬉しくなりましたが、「家できちんとしていないと、外に出ても普段が出るからちゃんとしておこうね。」と話して、コートを椅子にかけました。

お母さんにその話をしたら、本人は「ここは僕の別荘なんだよ。」と言いました。

お母さんは驚くと同時に、ニコッとしていました。

🔹発達凸凹ミラクル塾が「別荘」の理由

話したいことが聞いてもらえて、

楽しいお話(絵本)が聞けて、

やりたい遊びができて、

好きなお菓子が食べられて、

気分によって学習が選べて(かけ算九九から木工作へ)

お母さんへのおみやげとなる話が言えるように音読して

がんばれば、大好きなコーラが飲めて

漢字やかけ算九九など、できるようになって

ほめられて…

叱られることもなく(Y君は入塾して1年余りになりますが、私一度も叱ったことがありません)

リラックスできて居心地が良い…

ということなのだと思います。

そして、こんなふうに家庭がなったら、きっと子どもは落ち着いてどんどん良くなります。

だから、ママ向けに「子育てミラクル講座」を開催しています。

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