本書は物語形式で、25年ぶりに墓参りをした主人公ユウイチが、ご先祖様から「墓参りの御礼に、家族が幸せになるようにサポートする」と言われたところから始まります。
その後、ユウイチ一家は、ご先祖様マモルのアドバイスによってさまざまな家族のピンチをのりこえていきます。その歩みを10話にわたって読みやすくかつおもしろく紹介しています。
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🪶1 目次
目次(10話のタイトル)は次のとおりです。
目次
● 物語の登場人物とあらすじ
◆ プロローグ
◆ 第一話 妻の最高の笑顔
◆ 第二話 ディズニーランドよりも近くの公園
◆ 第三話 子どものもつ魔法の力
◆ 第 四 話 最悪の一日から最高の一日へ
◆ 第 五 話 恋敵現る!
◆ 第 六 話 ユウイチ、株にはまる
◆ 第七話 お手伝いサイコー
◆ 第八話 家族の絆をつくる「家族の日」
◆ 第九話 豊かなビジョンが実現する家族会議
◆ 第十話 家族のめざすゴール
◆ エピローグ 「家族に幸せの青い鳥を招くための十箇条」
◆ おわりに
さっそく、第1話だけ(途中まで)無料で紹介しましょう。
🪶 2 第一話「妻の最高の笑顔」
墓参りから帰った三週間後、ユウイチ一家は、長女カナの七歳の誕生日を祝っていた。
■長女カナ七歳の誕生日
ユウイチ一家:ハッピーバースデー、ツーユー、ハッピーバースデー、ツーユー、ハッピーバースデーディアカナちゃん、ハッピーバースデーツーユー。おめでとう!(拍手)
実母:七歳の誕生日おめでとう! おばあちゃんからは誕生日ケーキだよ。
カナ:ありがとう!
クニコ:はい、誕生日プレゼント。クマのプーさんのぬいぐるみよ。お父さんとわたしからよ。
カナ:これ、ほしかったんだ! お父さん、お母さんありがとう!
ユウイチ:(あー、わが子の笑顔を見るのは、親として最高に幸せだなー。)
カナちゃんの誕生日祝いで、家族みんながハッピーな一日となった。
▼ ご先祖様マモル登場
ユウイチ:今日はいい日だったなあ。(ベッドに入りながら、こんなふうに思っていると)
マモル:約束通り、ユウイチ一家を幸せにするために来たよ。
ユウイチ:あっ、この間、夢に出てきた、ご先祖様!
マモル:ホンマ、ええ日やったなー。
ところで、こんなええ日が一年間に一回とは、もったいない。こんな日を五倍にする方法があるんやけど、知りたくないんか?
ユウイチ:そんな方法があるならぜひ!
マモル:それはな、家族全員の誕生日を祝うんや。
ユウイチ:家族全員!?
マモル:つまりやな、お前さんの誕生日も、奥さんの誕生日も、おばあちゃんの誕生日も、近くにすむ奥さんの実家のおじいちゃんやおばあちゃんの誕生日もみんな祝うのや。そうすれば、簡単に五倍以上になるやろ。
ユウイチ:うーん…でも、妻がボクの誕生日を祝ってくれるかな。
(最近、あっちの方も全然だし、新婚気分はとうに抜けてるし……)
マモル:まず、妻の誕生日から祝ってあげたらええがな。それならできるやろ。
ユウイチ:ええ、それなら、まあ。 でも、困ったなあ。
妻から高級ハンドバッグなんてねだられたらどうしょう。
マモル:お金をかけないで、それ以上の笑顔が出る方法を知ってるけど、知りたいか?
ユウイチ:ええ、ぜひ!
マモル:カナちゃんに「お母さんへの感謝の手紙」とか書いてもらってプレゼントにしたらええよ。
きっと高価なハンドバック以上に喜ばれるよ。
ユウイチ:やってみます!
マモル:素直やな。その素直さが大事やで。
ああそれから、感謝の手紙は、ユウイチも書いた方がええよ。
■カナ、感謝の手紙を書く
高級ハンドバッグの代わりに、妻の誕生日にカナから感謝の手紙を渡すことに決めたユウイチ。
でも、七歳のカナにどうやって感謝の手紙を書かせたらいいかよくわからないユウイチは、ネットでいろいろと調べていた。
ユウイチ:お母さんへの感謝の手紙か、どうやってカナに書かせればいいんだろう。
いいサイトを見つけたぞ!
家族の広場
にアクセスして
□母の日に園児が書いた感謝の手紙
□小1の作文「お母さんは宝もの」
この二つの記事を参考にすればいいな!
なるほど、「お母さんの好きなところ」なら、小さい子でも書けるな。
ユウイチ:カナ、ちょっときてごらん。
カナ:なーに?
ユウイチ:お母さん、もう少しで誕生日だろ。お祝いのメッセージを書こうと思うんだよ。
カナが「お母さんの好きなところ」を書いてあげたら、お母さん、きっと喜ぶよ。
カナ:書く!
ユウイチ:じゃあ、「お母さんの好きなところ」とタイトルを書いてごらん。
カナ:(「おかあさんのすきなところ」と書く。)
ユウイチ:お母さんの好きなところは、どんなところかな?
カナ:うん、いっしょにねてくれるところ。
ユウイチ:「いっしょにねてくれるところ」ね。じゃ、そう書いてごらん。 それから。
カナ:おいしい料理を作ってくれるところ。
ユウイチ:たとえば?
カナ:ハンバーグとか、フライドポテトだとか。
ユウイチ:じゃ、そう書いてごらん。 他にお母さんのどんなところが好きかな。
カナ:本を読んでくれるところ……。
■カナの書いた手紙
『おかあさんのすきなところ』
おかあさんは、いっしょにねてくれます。
カナのすきなハンバーグやフライドポテトをつくってくれます。
とてもおいしいです。
ねるまえに、えほんをよんでくれます。
よるはこわいので、いっしょにトイレについていってくれます。
カナは、おかあさんがだいすきです。
ユウイチ:いい手紙ができたね!
これを渡せばプレゼントは大丈夫!
きっと妻は大喜びするな。高級ハンドバックは要らないな。
ユウイチはこう思った。
そして、三日後、妻の誕生日を迎えた。
■妻の誕生日祝い
ユウイチ:カナからプレゼントがあるんだよね。
カナ:うん! お母さん、誕生日おめでとう!
(手紙を渡す)
クニコ:まあ、ありがとう!
(最高の笑顔で受け取る)
クニコ:あなたからのプレゼントは、ないの?
ユウイチ:いやー、そのー。
(娘の手紙がそうなんだけど)
クニコ:カナだって、こんなにがんばって手紙を書いてくれたんだもの。
あなたからはハンドバッグがほしいわ。
ユウイチ:えー!
ご先祖様マモル:だから、「感謝の手紙は、ユウイチも書いた方がええよ」って言うたのに。
■三ヶ月後、お父さんの誕生日祝い
家族:お父さん、誕生日おめでとう!
カナ:お父さん、誕生日おめでとう!いつもありがとう!(「お父さん、ありがとうのお手紙」を渡す)
ユウイチ:あれー、うれしい! 夢じゃないのかな?(ほっぺたをつねる) 夢じゃない!
クニコ:だって、カナが「今度はお父さんの番でしょう」と言うんだもの。
私からもはい、お父さん、いつも働いてくれてありがとう!
ユウイチ:うれしい! ありがとう!
▼ご先祖様マモル登場
マモル:よかったなあ。
ユウイチ:本当にありがとうございます!
マモル:「今度はお父さんの番でしょう」なんて、思いやりのある、ええ子やな。
これから毎年毎年、五倍の楽しいイベントじゃな。おじいちゃん、おばあちゃんも大喜びするから、大変な親孝行にもなるでー。
ユウイチ:仕事にやる気が出ました!かわいいこの子のためにがんばろうって!
マモル:そりゃーよかった。楽しいだけじゃないよ。カナちゃんが、毎年毎年、感謝の手紙を両親に書いたとしたら、すごいことだろ。きっと思いやりのある子に育つやろ。自分の誕生日だけ祝ってもらって喜んでいる子どもは、人を喜ばす喜びを知らずに育つのや。もしかしたら、地球は自分を中心に回っていると錯覚するかもしれん。ユウイチの子は、相手を喜ばす喜びも学んでいくんや。この違いは大きいで。
ユウイチ:そっかー、楽しいだけじゃないんだ。思いやりのある子にも育つんだ!
ありがとうございます!
…第2話以降のお話は本書を購入してお読みください。
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🪶3 本書で「家族を幸せにするヒント」を手にしよう!
本書の大前提は、「幸せの青い鳥は、最も身近な家庭にいる」という普遍的なことです。言いかえれば、「家庭が幸せならば、子どもも親も幸せだ」ということでしょう。
現状はどうかと言えば、家庭の幸せの実現度は低いと思います。現代においては、あまりにも親と子を引き裂く要素が多いからです。仕事や家事で疲れている親、受験勉強や部活に追いまくられる子ども、コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子ども、親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合すらあります。
どうしたら、そうした現状を変えられるか。家庭の幸せをつくり出し、親と子の絆を取り戻すには、どうしたらよいか。
本書は、それを実現するための「知恵」を10のお話によって伝えました。この10のお語には、家族の幸せを手にする知恵がちりばめられています。
たとえば、
○仕事に疲れている親については、第3話「子どものもつ魔法の力」で、
○コンピューターゲーム機、スマホ、SNS…等にはまる子どもについては、第5話「恋敵現る」で、
○親自身がそれらにはまってしまい家庭がおざなりになっている場合は、第6話「ユウイチ、株にはまる」で、
それらのピンチをのりこえる知恵を伝えています。
なお、この10話はフィクションのようでいて、実際は実話が元になっています。ですから、どれも検証済みの知恵であり、実際にやれることばかりです。
たとえば、無料で紹介した第1話「妻の最高の笑顔」は、「子どもばかりでなく家族全員の誕生日を祝うといいよ…」と、私がアドバイスしたある家族の実話が元になっています。父親がアドバイス通りにやってみたところ、妻は子どもからの手紙に感激していたそうです。
本書を読むことで、きっと家族を幸せにするヒントを手にすることができるでしょう。そして、納得できるところ、心に響いたところから実践していけば、きっと家族の幸せが今まで以上に実現していくでしょう。